三佐人形アルバム |
山車人形を作る三浦さん |
〜人の動きに近づける〜
「自分にはこれしかできないですから…」。大分市三佐の「三浦人形店」3代目三浦紘一さん(55)は、祭りの”主役”である山車人形などを製作する職人だ。
戦前から80年以上続く大分で唯一のしにせを継ぎ、頑固に伝統を守り続けている。19歳でこの道に足を踏み入れ、人形作り一筋に36年になる。三佐地域周辺で催される祭りでは毎年三浦さんが手掛ける山車人形が活躍する。
夏祭りは三川、高松、萩原の3ヶ所。春の三佐、秋の森町、松岡の祭りを合わせると20台の山車人形を作る。山車に乗せる人形は全部で約70体。この時期は山車の修理や人形作りに追われる。
人形の頭は桐(きり)を素材に一つ一つ彫刻。1000以上ある在庫の頭からそれぞれの祭りにマッチした表情を選び、胡粉(ごふん)=貝がらの粉=仕上げをし、くまどりをする。
「威勢のいい祭りには豪快さと力強さが出るよう歌舞伎ものを選ぶことが多い。目の向き、指の動き、いかに人間に近い動きが出せるか…。人形は顔が命、しかし全体のバランスも大切なんですよ」
人形作りに携わるのは三浦さんを含めて4人。頭とボディー作り、くまどりは三浦さんら職人2人の仕事。時代考証に基づく衣装の製作と着付け、髪結いは女性2人が担当する。
「伝統が廃れないよう昔からの技術を守り続けていきますよ」。3代目の思いが山車人形の”命”を支えている。〜大分合同新聞平成11年7月20日の新聞「夏を彩る大分の達人」記事より〜
平成11年度
○板若
○仲若
○裏若
○本若
○新若
○沖若