シリーズ・インフィニット・ワーズの詩(58)
無限なる叡智の海の中から
〜高次元の真理はかくして地上に降ろされる〜
西園寺昌美
新しいものを生み出すという苦労は、誰にもわからないだろう
そして、生み出したその至福もまた、誰にもわからないだろう
私は時折、生みの苦しみに喘ぎながら
横へ、後ろへ、斜めへと行きつ戻りつ、止まりつ、眺めつつ
そして遂に、一歩前に突き進んでゆくのである
この作業は、何度も繰り返される
テーマを見出すために時間がかかる
そしてテーマを見出しても、後が続かない
完成に至るまでには、途方もないプレッシャーがのしかかる
だが、いざ書さ出すと
自分では考えられないほどの、無限なる叡智の海に取り囲まれる
しばし困惑しつつ、叡智の海の中を泳ぎまわる
うまく泳げない私は、叡智の中でアップアップするのみ
時には溺れ、時には大量の水(叡智)を飲み干し、苦しみつづける
美しく、見事に、完璧に泳ぎきるためには
まず泳ぎ方を学ばなければならないであろう
しかし、私には未だにそのような泳ぎ方は皆目判ってはいない
そもそも教わる意志がないのである
まずは自己流に
叡智の海に
真理の海に
どっぷりと浸り、しばしその中で、自らの意識を操作せず
赤児になったように、フワフワと水に任せて浮いてみる
そこには無限なる可能性が展かれている
あたかも愛の海 慈悲の海に抱擁されているかのように
神の温もり、優しさ、赦しは
次第に私の心の中で
井先生の姿へと変わってゆく
高次元の真理をこの世に降ろすには
無限なる叡智、直観カはもとより
体力、精神力、集中力も必要となる
宇宙で行なわれている絶え間ない創造、深遠なる真理の展開
その中で何を選択し、何を決定してゆくのか
私にとってはすべてが予測不可能となる
神に問う、五井先生に縋る
一瞬のうちに答えが返ってくることを
心密かに期待する
だがしかし、それは否である
私の脳は未だに半分眠らされたままだ
真理のマニュアルすべてを
理解するだけの機能は未だ育ってはいない
私の脳の中に、その真理のマニュアルは存在してはいない
私は膨大な叡智の海の中から
人類の意識レベルに合わせ
一つの真理を掴みとる
それはあたかも、自然な選択のようでもあり
自らの意志によるかのようでもある
すると、核心に触れる言葉に遭遇する
ここまで来れば、すべては終わったようなものだ
予測を超えたカが内より漲る
あとは、心を踊らせ、期待に胸ふくらませ
書くことに専念するのみである
そして、一つの真理は地上に顕れ出るのである
