シリーズ・インフィニット・ワーズの詩(44)

子供たちの魂に光が灯るように


               西園寺昌美

イスラエル・パレスチナの 政治や宗教対立に翻弄された子供たち
北朝鮮から脱北し親を殺された子供たち
イラク紛争にて一家離散となった子供たち
何の罪もない、いたいけな子供たちが犠牲となっている
この子供たちは深く深く傷つき、悲しみと苦しみを負っている
インドネシアの東部モルッカ諸島のアンボンで
イスラム教とキリスト教の宗教紛争のために
双方にチャイルド・ソルジャー(少年民兵)として
家族や村を守るため
殺戮を繰り返して、凄惨な現場に身をおいてきた子供たち

今それらの子供たちは大人の戦争に巻きこまれ
戦い傷つき
過酷なトラウマに苦しんでいる
彼らの心を誰が癒すことが出来るのか
彼らはその過酷な苦悩を心の中に閉ざし、何も語ろうともしない
語らないだけに、その苦悩の探さは計り知れない

私たち大人はこのような子供たちの心の中を
どこまで推し測ることが出来るのだろうか
想像は出来る 予想は出来る 仮定は出来る
が、果たして真実の心の中をどのようにして知りうるだろうか

子供たちは自分の魂のレベルで語ってはいるが
私たち大人はそれを読みとるだけの純粋性に欠けている
声で話すことを拒絶した彼らの訴える術を
その子供たちの真実の声を
どれほどの人たちが理解できるのだろうか
だが私にはその傷つき破れた魂のひびきを聞きとり
彼らの真実のさけびを理解することが出来る

いつ彼らに 自分の声で自由に人々に
真実を話す機会が訪れるのであろうか
彼らの悲痛な体験、胸がはりさけんばかりの苦痛の体験
その彼らの魂の叫びを伝える日はいつ訪れるのだろうか

彼らは未だ笑うことはない、笑えないのだ
笑いは彼らの心の深淵に沈めたままだ
声にならない声で
生きていることの不安、恐怖、憎悪、恨み、怨念などの想念が
私に伝わってくる

今では彼らの存在そのものを、彼ら自身が打ち消すように
自らの生そのものを否定しきってしまった子供たち
彼らには彼らの未来に待ちうけるこれ以上の過酷な運命を
甘んじて受け入れるだけの力はもう残ってはいない
自分たちの生命とひきかえに
大人たちを恨み、絶望、報復の怨念を放つ

暗黒の海にただよう子供たちの魂
私は 人類即神也の印を組む
彼らの魂に光が灯るように
彼らの未来に希望があふれるように
そしてまた多くの神人および祈りの同志が
世界平和の祈りを祈り、印を組んでいる
無限なる愛 無限なる癒し 無限なる光は
彼らの魂を闇から光へといざなっている
彼らの魂は、その光にのって
世界へはばたこうとしている
彼らの固く閉じられた心の扉が少しずつ開かれ
自由自在の心をもって
広い大海原へ、青い大空へと飛翔しはじめるまで
私は人類即神也の印を組む

もうこれ以上、この世にこのような子供たちをつくり出してはならない
そのためにも我々は日々祈り、印を組みつづけるのだ