シリーズ・インフィニット・ワーズの詩(17)

DNAの独白


               西園寺昌美


人間の意識は
外的な事象を変化させ
外的な事象を引さつけ 現実に実現させる
人間の意識は
因果律を超え 果因律の法則に従うと
必然的に自分の想うままの世界を創りあげてゆく
人間は地上に生をうけたもっとも光輝なるものであり
一つの宇宙である

果因律はすべての因果律をくつがえし
黄金の華を人類にもたらす
果因律は過去の因縁を次々と排除し
神界の真理の法則を啓示する

果因律は宇宙神からのエネルギーであり
果因律を信ずる人にのみ
幸多き平安なる人生が開示される
果因律は真の自己を愛し 真の自己を熟知し 真の自己を信ずる人のための法則である
果因律は精神的に未熟な人 真理が理解できぬ人には適さない
果因律は神人のための法則である

DNA(遺伝子)の中に果因律は組み込まれており
DNAの中に輝かしき生命の特徴がインプットされており
DNAの中に我々人類の人生の設計図が蔵されている

すべてのDNAは一刻も早く
天より与えられている使命を
肉体内において完うしたいのだ
DNAは主人の意識の命令を待ち望んでいる
だが いっこうに因果律のみが伝わってきて果因律は届かない
DNAの目的は因果律を開示することではない
果因律のみがDNAを発奮させ
本来の輝かしき力を発揮させるのだ

わが主人の意識が
善きことのみ 素晴らしきことのみ 輝かしきことのみに向かってゆくならば
これは我々DNAにとってまさに光だ
我々DNAはどんどん隣の仲間 またその隣の仲間と働きかけて
光の部分のみ創造してゆける
因果律は光に対する影だ

影は本来あるものではないので開示しない
影はまさに己れの欲望より現われる
虚言 虚栄 貪欲 差別
我々DNAは欲望の命令を出来る限りOFFにする
そしてついにOFFを守り通し 死滅するのである
破壊されてもなお我々DNAの天命を守り通しているのだ
我々DNAが破壊されつづければ次第に肉体も浸食されてゆく
これが因果律の原理だ

人類は二十一世紀
この因果律から目覚め
果因律のみにて生きるべきだ
二十世紀の生き方を二十一世紀まで引きずることはない
因果律がなくならない限り
世界の人種・民族の紛争 宗教戦争 病気 貧乏 天変地変はなくならない
人類の不幸はすべては因縁因果から来ている
やられればやりかえす 損したら取りかえす 打たれたら打ちかえす
取られたら奪いかえす 殺されたら殺す
この因果律を超えなければ 人類一人一人の幸せはない
因果律を超えるには一人一人の意識改革より他にない
未だ低次元レベルの意識では自分も人類も救われない

DNAの叫びが聞こえないのか
自分の内面をよく見るがよい
表面意識がいかように人をののしり 自らの屈辱をすすぐため
復讐に血道を上げようとも
内なるDNAはそれらの影の意識には決して応えようとはしない
答える代わりに一つ一つのDNAは
主人の天命を守り抜くために
自らの生命を犠牲にしてOFFを守り抜き 死を選ぶ

人類の低次元意識に比し
肉体を支え 肉体を生かし 肉体を守りつづけているDNAこそ
何と真理の法則そのものに生きていることか

人類よ 汝自身を知れ
汝がそのようなおろかしい生き方を通そうとも
内なる本心 DNAはそれを許さぬのである
その双方の葛藤こそ 汝の運命を転落させているのだ
内なる本心 DNAの働きの何と偉大なこと

自らのDNAに一刻も早く謝ることだ
唯物論を基本とした従来の科学のパラダイムは
今 昔をたてて崩れさろうとしている
二十一世紀 科学にも嵐の如き価値観の転換期が訪れているのだ

故に私は
いかなる人も″人類即神也”であることの偉大さを知るのである
いかなる人も本来光そのものなのである
醜悪な装いも 憎き振るまいも おぞましき虚言も おそろしい言動も
すべては外面に表われている消えてゆく姿
内なるDNAは
表面の意識がつくりあげる事象と全く反して
宇宙のひびきに呼応し 自らの天命を完うしつづけ
自らの生命を肉体に捧げているのである

人類即神也
人類一人一人のDNAの叫びが私の魂に食い込んできた
DNAはその内部に宇宙全体のすべての情報を宿しているのだ